左右若老場

政治・思想・経済等への雑感を吐いていくこの上なく面倒で不要な場とその主

守らなければならない情報

特定秘密保護法が可決されるまでの間、メディアを始め各所で大騒ぎになったのは記憶に新しい。それからしばらくして新しいニュースがどんどん流れてきて沈静化するかと思いきや、気がつけばさて秘密保護法で誰それが云々と火を絶やさぬように彼らは必死のようだ。

この法律の内容については語るまでもなく、運用については施行されてからどう解釈されていくかを見ていくしか無いが、少なくとも運用開始直後からの指定は軍事機密といった極々当たり前のものから始まるだろう。

当然、この法律に私は賛成の立場である。運用自体に不安がないわけではないが、それは真っ当ではない政権が使った場合の危惧であり現在の安倍内閣に対する不安ではない。

メディアはとかくこれを政府に都合の悪い情報を隠蔽するため、そして独裁化への道のように語りたいようだが、実際は当然違う。防衛やテロ関連と明記されている以上、無理やりな解釈をすれば可能かもしれないがそれを危惧するなら道を歩いてるだけで軽犯罪法違反になる可能性を論ずるのと同じで不毛といえる。

憶測に過ぎはしないがメディアの考える反対理由は当然こんな独裁化の危惧や国民の不当逮捕といった人々を心配しての行為ではないだろう。彼らにとって情報は金であり手に入れてナンボである。それは政治家の女性関係に限らず潜水艦の耐圧殻の組成も日本を敵対視する国ばかりでなく友好国とて欲しがる、つまり金になる。

彼らの盲目な平和思想・反日思想も多大に関与しているとは思う。なにしろ法律自体は彼らが普段紙面に飾れるようなスキャンダル性のあるもの、つまり一般国民が関心を寄せるものではない。外務省の暗号が一面にあったところで芸能人が結婚したニュースより求心力はない。

ところがその情報、あらゆる外国や政府をやたら監視したい連中にとっては金銀財宝と同じものだ。それが秘密として漏らした公務員は処罰されるとなれば、最低でも小遣い稼ぎで漏らしてるような輩は口を閉ざすだろう。命をかけて収集するようなスパイならば懲役十年程度は何ら障害にならないだろうが。

メディアの反応を見るに、すでにこの秘密に該当するような情報を漏らしている公務員は、つまり彼らに対する情報提供者は相当数いるのだろう。メディアがそれらをどこに流してるかはわからないが、趣味で聞いて提供者に札束を渡すほどさすがに給料はもらっていないだろう。

国内外の著名人や団体がこの法律に反対している。毎度おなじみの特定の国の息がかかった連中は操り人形でわかりやすいが、さてそれ以外はどうだろう。

中にはそもそもこうした情報保護という概念に反対する団体がいる。すべての情報はオープンにされるべきだという。アメリカのテロ対策への疑問や情報ネットワークの広まりにより生まれた自由主義の一種ともいえるが、これはそういった思想だと捉えるべきだ。悪い人ではないといえる、世界中が彼らのような情報思想を持っていれば問題はないだろうが、残念ながら現実にはテロ対策の警備員の配置を知って満足するだけでなく穴を突いて襲撃しようという輩が大勢いるのだ。まあ脳内お花畑と言ってもいいかもしれないが、彼らにはそれなりに考えた理論や根拠があったりするので一概に馬鹿には出来ない。

国内で国会議事堂を取り囲んでる連中はさて彼らと同じに見るべきかといえば、それはNOだ。彼らの多くは反米基地活動をしている市民団体と同じく動員されて指示書を見れば、朝にはアメリカのイージス艦入港反対、昼には中国の駆逐艦大歓迎ニーハオ、夕方には日当をもらってチェーンの居酒屋で打ち上げするような連中だ。馬鹿にして良い。

そうしたアルバイトばかりでもない。半ば本気でこういった活動に邁進している連中もいる。その多くはかつての学生運動からか夢見てか後追いか戻ってか、とかくこうした正義の行動に何らかの理由があって参加している。共通して、その夢を見なければ生きていく理由に欠ける連中だ。仕事、家庭、友人、そうしたものに恵まれない可哀想な人と言っても良い。本気でこれが国を変えると信じてるような人でも、家に帰れば誰とも喋らずカップ麺をすするというのが実態だろう。アルコールに逃げているのと変わりはしない。

残りはでは本国からの指令に基づいてるか、といえばそれはまだ少ない。というか首謀者といえる立場なので現場ではなく事務所にいるか銀座の飲み屋にいるであろう。残りは先の夢見る人々と似ているが少し違う、いわばいつでもいる最近の若者というやつだ。鬱屈した青春の衝動だとかが、青年海外ボランティアやスポーツや起業といった方向に向かず市民活動に走ってしまった熱血漢。そしてお祭り騒ぎだからとりあえず便乗しておこうという頭の悪い(ある意味良い)奴らだ。前者は、若いうちに左翼に走らないものは情熱がないと言われるぐらいなので仕方がないといえる。政府の情報隠蔽フリーメイソンの世界支配に思いを馳せて、しかし実際には権力者でもなんでもないただの若者なのでシュプレヒコールを上げることから始めたとか、そういうのだ。いずれ就活で日常に戻っていくようなものだが、中には熱中しすぎて本能となってしまい海外で空港爆破するような連中にスカウトされかねないから危険といえば危険である。

遊びでの参加は、これは心配の必要は多少ある。宗教セミナーやらと同じでなんとなく参加していたのがそのうち虜になってしまい、熱血左翼青年に大変身といった危険性がある。遊びでこんなのに参加するぐらいだから退屈な青春を送っていると考えれば何かに熱中できるようになるのは本人は幸せかもしれないが、その幸せが人を殺すことになってはならない。

他にはまあ、単なる反発心だとかのつまらない理由はあるだろうが無視して良いだろう。

著名人や有名人の反対者は、背後に外国や政党がちらついていればわかりやすい。そうでないのは戦時中の記憶だとかそういったのを理由にしているが、メディアに踊らされているか発言を切り取られたか金をもらったか法案を見ずタイトルだけ見ているか、そういったものが多いだろう。他国も政治勢力も関係なく本気で語っているとすればそれは本人の思想なので直しようはまったくない。俺の若いころは云々と脚色した過去を話すオヤジと変わりはしない。

では私はそうした思想に固まっているか? 可能性は微粒子レベルで存在するかもしれないが、法案をきちんと読んだ上で判断しているのでその可能性はないといって良い。暗号や防衛機密を漏らしたらどうなるか、漏らしたら処罰されるのは当然ではないだろうか? 漏れたことが発覚すれば対策に税金を費やさなければならないし、それで国民が危機にさらされる危険性を考えれば当然のことである。

ああ、メディアの稼ぎ方がもうひとつあった。

無理やり聞き出す、そして報じる。漏らした公務員は処罰され市民団体は騒げるし自分達は厚顔無恥に漏らした公務員ひいては政府を攻撃できる。無理やり聞き出したことがバレて処罰されそうになればジャーナリズムと反政府でまた騒げる、まずくなってきたら折り合いをつけて尻尾切りをする。

最後はどうするか。漏れたことで政府は対策に税金を投入し、それを無駄遣いと批判する。なんと無理やりにでも漏らせば一石三鳥である。

それが通用するか否かは国民の意識次第であるわけだが、私はそんなメディアの汚いやり方を批判できる国民でありたい。